【読書録】学生時代に読んだ面白い小説3選。

読書録

図書館が閉まってる・・・だとぉ!?

新年度になって読書欲が高まっているのに、新型コロナウイルスの影響で町の図書館が開いてなーーい!!

ちくしょーー!!

と思いながら家の本棚にあるものを読み返すことにしました。

そうして、「あ~やっぱりこれ面白い!」と思った小説を3つ紹介します!

廃墟×ロボット×バトル『エスケープ・スピヰド』(九岡望/吟)

概要

タイトル:エスケープ・スピヰド

著者:九岡望

イラスト:吟

発行:アスキー・メディアワークス(電撃文庫)

あらすじ

昭和一〇一年夏、大国との戦争の末に廃墟となった町≪尽天≫。

閉鎖された街の探索中に暴走した戦闘兵器に襲われた叶葉は、棺で眠る少年・九曜ーーー八洲国軍最強兵器≪鬼虫≫の≪蜂≫ーーーと出会い、命令なしに動けないという九曜に自分を助けるように頼む。

兵器ゆえに人の感情が欠落している九曜だったが、叶葉はそんな彼を一人の人間として扱い交流していく。

そんな中、九曜と同じ鬼虫≪蜻蛉≫の竜胆が飛来し、人々の前に立ち塞がるーーー

おすすめポイント

ストーリーの分かりやすさ:★★★

バトルのスピード感:★★★

キャラの魅力:★★★

後読感

閉ざされた廃墟から抜け出すために試行錯誤する中で強靭な敵が立ち塞がる、という王道なストーリー展開ですが、スピード感のあるバトル描写で一気に世界観に引き込まれます。

とにかく九曜vs竜胆のバトルシーンがかっこいい

展開が速くて・・・というか、虫の形をした大型ロボット兵器のスピードが物理的に速いんですよ。光速の領域の勝負をするので。

その一瞬のために策を練って研鑽して、葛藤する

そういう九曜の姿がかっこいいです

あと、随所で / や 【 】 などが使われた特徴的な文体があって、その効果で≪鬼虫≫のロボット感が増し増しです。

ロボットもの好きには堪りません。

学園×パズル×交換日記『二年四組交換日記ー腐ったリンゴはくさらないー』(朝田雅康/庭)

概要

タイトル:二年四組交換日記

著者:朝田雅康

イラスト:庭

発行:集英社(スーパーダッシュ文庫)

あらすじ

私立伯東高校、二年四組。

問題児ばかり集められたクラスのボスである委員長は「みんなの心を一つにするため」に交換日記を開始する。

日記は誰が書いているのか分からないようにされ、登場するクラスメイトも異名や派閥で表現されている。

暴走族、サギ集団、ロシアの諜報機関の内紛・・・!?

予想外の事件や恋の描かれたその日記を後日に渡された問題児クラスの哀れな担任教師・相川奈美は今日も頭を抱えるーーー

おすすめポイント

青春:★★★

パズル感:★★★

後読感

交換日記の中では登場人物の名前が異名や派閥で書かれたり、ところどころ名前が黒塗りで消されたりしており、クラス全員の氏名と誰が日記を書いているのかをパズル感覚で解き明かしながら読める・・・という、一風変わった作品で、『第9回スーパーダッシュ小説新人賞 佳作』に選ばれています。

1ページ目にクラス全員の顔のイラストと異名が書かれた名簿があり、そこに氏名が書き込めるようになっています。

(PDFをダウンロードすることもできるようです。)

ストーリーとしては、問題児が集められたクラスゆえに起きるぶっ飛んだ事件をちょっぴり暴君な委員長を中心に解決していくコメディ青春劇、という感じです。

二転三転する展開に「えぇーっ!?」と驚いたりこんなクラスはイヤだ」と笑いながら読めます。

ミステリー×数学愛×天才中学生「浜村渚の計算ノート」(青柳碧人)

概要

タイトル:浜村渚の計算ノート

著者:青柳碧人

発行:講談社(講談社文庫)

あらすじ

天才数学者・高木源一郎が率いるテロ組織「黒い三角定規」。

数学の地位向上のため、彼らは国民全員を人質に取った。

高木が作った有名教育ソフトで学んだ人間は予備催眠を受けており、彼らの命令次第で殺人の加害者にも被害者にもなり得るのだ。

そして彼らが起こす事件はどれも数学に関わるものばかり。

彼らに対抗するため警視庁が探し出した数学大好き女子中学生・浜村渚が、「黒い三角定規」の出す難問を解き明かすーーー

おすすめポイント

トリックの面白さ:★★★

解説の分かりやすさ:★★★

渚の可愛さ:★★★

後読感

数学、面白いやん。

数学で赤点常習犯だった私がそう思える作品です。

数学的な説明が分かりやすいんですけど、どのくらい分かりやすいかというと、このくらいです⇩

「では聞きたいが、0÷4はいくつかな?」

「0」

浜村になじられた瀬島は、不機嫌なまま答えた。

「正解。では、4÷0は?」

「0!」

瀬島の声には、すでに怒気がこもっている。

この答えを聞くなり、及川と浜村は、そろえて首を振った。僕には、その意味がわからなかった。

【中略】

「そもそも、4÷0なんて計算は、しちゃだめなんです」

数学少女、浜村渚はそんな瀬島の目を真剣に覗き込みながらそう返答した。

「はぁ?」

浜村渚は緊張した雰囲気を和らげようとしたのか、口元に少し笑みを取り戻し、そのままシャーペンをノートの上に走らせた。

『1×0=0、2×0=0』・・・・・・小学生でもわかるような、簡単な式が2つ。

「いいですか?これが成り立つとすれば、ゼロイコールゼロだから・・・・・・」

『1×0=2×0』

問題ない。

「で、ここで『0で割っ』っていいなら、両辺を0で割ることができるはずなんです」

すると、僕たちの目の前には、世にも奇妙な等式が現れた。

『1=2』・・・・・・?

そんなバカな。

「ね?」

瀬島の顔を見ると、彼も眉をひそめてその不思議な式を見つめていた。

「だから、『0で割る』っていうのは、やっちゃダメなんです。こんなことをしたら、数学の秩序がメチャメチャになっちゃう」

ピンクのシャーペンは、一度「÷0」を書き、その上から大きなバツを書いて打ち消した。

【中略】

「0が悪魔の数字というのが、わかっただろう。いかなる大きな数字も一瞬にして無に変えてしまう恐ろしい数字だが、とても有用だ。その数字を、悪魔は条件付きでわれわれに与えた。この条件を破れば、人類の数学の秩序を破壊してやると言って」

及川は恐ろしげな表情を作って物語を続ける。

「0で割ってはいけない。これは、人類と悪魔との間で交わされた、数学史上もっとも重要な約束の一つだ」

『浜村渚の計算ノート』より

数学のテストで赤点常習犯だった私の目からは鱗が・・・。

(だからと言ってテストの点数が上がったわけではないですけど)

そしてミステリー好きにはお察しかもしれませんが、この『0で割ってはいけない』というのが事件の後半で重要だったりします。

テロ組織「黒い三角定規」はいろんな事件を起こすわけですが、彼らの心根は数学愛に溢れているだけなので、憎めないんですよね

ミステリーというジャンルには犯人の異常性とか憎しみとかを描いている”重たい”ものもありますけど、その点この作品は一貫して「数学愛」をテーマにしていて”軽い”気持ちで読めるので、なんども読み返せます。

まとめ

私は気に入った本は繰り返し読み返す派。

時間をおいて(半年とか1年以上)読むと自分の心的状況も違ったりするので、印象に残るシーンが初めて読んだ時とは違って面白いです。

図書館が再開するまでに家にある本を何冊読み返せるんだろ~?

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